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傘かしげ

 第2866回第2907回で取り上げた「江戸しぐさ」の一つ「傘かしげ」の精神は廃れてしまったのかと嘆いていましたが、まだまだその精神は日本人に残っているようです。

  Japan on the Globe 国際派日本人養成講座より

  No.602 外国人の見た「大いなる和の国」

  1.スクランブル交差点での傘の群舞

 高層ビルのレストランで、アメリカから来た老夫妻との食事を終えて、廊下に出ると、雨が降り出していた。廊下から外を見下ろすと、そこはハチ公広場前の大きなスクランブル交差点で、信号が青になると色とりどりの雨傘がひしめいていた。老夫妻は足をとめ、じっと窓から見下ろした。

  私たち、こうするのが大好きなの。日本のことが一番よくわかるから。雨の日、そしてことに渋谷のような大きな交差点。ほら、あちこちの方向へ動く傘をよく見てごらんなさい。ぶつかったり、押し合ったりしないでしょ? バレエの舞台の群舞みたいに、規則正しくゆずり合って滑って行く。演出家がいるかのように。これだけの数の傘が集まれば、こんな光景はよそでは決して見られない[1,p240]

この言葉に、海外に合計15年も住んでいた文筆家の加藤恭子氏は次のような感想を持った。内なる「外の眼」(JOG注: 海外生活体験を持つ日本人の眼)を意識している私も、ここまでは気づかなかった。いつもせかせかと急いでいる私は、「傘の群舞」に眼をとめたことすらなかったのだ。真の「外の眼」のみが指摘できる特徴だったのだろう。[1,p240]

  日本人には「せかせかとした雑踏」としか見えないスクランブル交差点で入り乱れる傘の群れを、この老夫妻は「規則正しくゆずり合って滑って行く」日本人の姿として捉えていたのである。

  外国の方から見ると日本人はまだまだ捨てたものじゃないところがあるようです。こんな指摘をされると涙が出そうなほど嬉しくなるのは私もまだまだ日本が好きなようです。
  こうやって見ると、世界の非常識と言われる日本人は良い意味での非常識な心を持っていると自負しても良いところがあるようです。
  その他人をおもんぱかるという世界にとっては非常識である心根が、アメリカによって与えられた憲法をその中にも良さを見つけ後生大事に守ってきたと言うところもあるのじゃないでしょうか。
  しかし、その日本人の良さを世界に広めるのは並大抵のことではなさそうです。そうである限りは、日本人の良さを持ちながらも世界に対して主張はしていかないわけには行かないでしょう。本当の良さを分かって貰うために世界の常識を利用する必要もありそうです。

日本人の良さを失わずに!

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